
戦略実行支援サービスの提供価値(代表・本間インタビュー)
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(聞き手・文:御代貴子(ライター))
戦略の“実行”に込めた意味
――まず、サービスの概要を教えてください。
本間 シーズメッシュの戦略実行支援は、戦略の策定から実行までを一気通貫でご支援するサービスになります。具体的には、現状分析を踏まえた課題の特定や、目指す姿を描くだけに留まらず、定めた戦略を実行に移せる体制作りや、タスクの遂行、統制に至るまで広くご支援できることが大きな特徴となります。
この特徴を表したくて、戦略”実行”支援という、戦略の策定から実行までフェーズを区切らずご支援する意味を込めた名称にしました。また、必要に応じてプロジェクト支援や事業創造、業務改革などのサービスを行き来しながらご支援できる設計にもなっています。
――どのようなお客様がサービスを利用されるのでしょう?
本間 本サービスは、業種業態を問わず幅広い企業様にご活用いただいています。(詳しくは事例・実績のページを参照)
ご支援先の所属(部門)も経営層をはじめとして、経営企画や人事、情シスなどのバックオフィス部門、事業部、プロジェクト、子会社、関係先(ベンダーなど)と多岐にわたります。組織やチームをまたいだご利用が多いのもこのサービスの特徴のひとつです。
――お客様はどのようなステージでご依頼されることが多いですか?
本間 当社にご相談いただくステージは、戦略が曖昧な初期段階や実行がやや進んだフェーズなど、こちらも様々です。戦略は物事を始める前に立てるものと思われがちですが、実際は、物事が立ちいかなくなった時や、何回取り組んでもうまくいかない場合など、様々な段階、フェーズで再考する必要が出てきます。状況がきちんと説明できなければ依頼できないのではないか?と思わることも多いですが、弊社はどのような段階/状況でもご支援をお受けしているので、その辺りは気にせず、まずは気軽にご相談いただけたらと思います。
本質的な課題は、目に見えないところにあるもの
――実際、どのような形で支援を進めていくのでしょうか?
本間 気づく/気づかないはあるにせよ、戦略が曖昧なことが原因で、改善施策などが前に進まないとお悩みの企業様は意外と多いものです。たとえば、緻密な計画はあるが実行が伴わない/実行はされるが想定した結果が得られないといったケースでは、ほぼ大元の戦略策定にそもそもの問題があります。戦略がどのように曖昧なのかは、当事者では気づかないことが多いため、当社はお客様のお悩みに寄り添い、本質的な課題の特定からご支援を開始するようにしています。
本質的な課題は、経営と現場の壁があるところに潜んでいることがよくあります。目に見える課題が本質的/根源的な課題とは限りませんし、むしろ、そうでないことがほとんどです。経営者は現場で困っていること(実態)が見えず、逆に現場は経営に問題を伝えきれていない(もしくは言えない)ことが多いものです。当社は、経営と現場の目線の違いから生じる壁に着目し、本質的な課題を見出すために、まず事実を把握し、現場の声に深く耳を傾ける必要があると考えています。中立的な観点に立って、経営と現場のギャップを理解し、サポートできることが、当社の強みのひとつでもあります。
――かなり課題の深い部分まで入り込んでいくのですね。
本間 そうですね。相当深く入り込むかもしれません(笑)。たとえば、お客様社内のギャップを解消する取り組みとして、現場の社員がどの業務に何割の時間を費やしているのか、その1つひとつが価値を生む仕事なのか、困っていることは何なのか、といったことをヒアリングして、定量/定性の両面から事実を掘り下げるというアプローチはかなり効果的です。
事実を踏まえて本質的な課題を特定し、課題に優先順をつけて実行に移すと、経営と現場双方の納得感が高まるだけでなく、キーパーソンを巻き込むことにも繋がり、その後の戦略実行がスムーズに進むという副次的効果も生まれます。このように、課題の特定はある程度の時間をかけないと戦略の方向性を見誤る恐れがあるので、それほど本質を見極めるプロセスは重要だと考えています。
課題を特定した後は、戦略の”青写真”を描きます。”青写真”とは、伺ったお話をもとに、環境分析や戦略の構造、ポートフォリオ、優先順位付け、コスト配分などの関係を1枚の絵に落とし込むものです。当社オリジナルのフレームワークを用いながら構造的に捉え、最終的に各要素が歯車のように連動する、“戦略の設計図”を作るイメージです。
<戦略の設計図・イメージ>
――支援にあたって大切にしていることはありますか?
本間 当社では、「戦略なき実行に成功なし」という言葉を大切にしています。企業様によっては、戦略に根拠や理由がなかったり、目指す姿(To Be)と現状(As Is)のギャップを分析せずに施策を立てていたりすることが少なからずあります。戦略が曖昧な状態で見切り発車してしまっては、どれほど優秀な組織であっても仕事の質が落ち、モチベーションがダウンします。前述の“戦略の設計図”は、戦略実行における羅針盤のような存在で、問題が起きた時にもすぐに立ち返ることができるので、ここを考える手間を惜しまないというのが、強いていえば大切にしていることです。
また、経営陣の皆様が悩むのは、問題が起きた際の原因把握と迅速な対策の進め方です。例えばリソース不足が問題なのか、担当者のスキルの問題なのか、そもそも仕事の進め方に問題があるのか、といったことをまずは的確に捉え、上位の方針に則って優先順を決め、対策を打つ必要があります。加えて、問題の所在や構成要素は、時間経過とともに絶えず変化するので、変動に対応することも織り込んでいかなければなりません。こうした場面でも、戦略の設計図は有効に作用します。
――戦略策定に時間をかけてしまうと、業務に影響が出ないものでしょうか?
本間 戦略策定には最低でも3〜6か月の時間がかかるのは事実です。一方で、戦略策定の間に、即効性の高い施策が見えてきた場合は、その施策の実行も並行して進めるのが常套手段です。たとえば、稼働中のプロジェクトのローンチが間に合わない等の問題が見えたならば、プロジェクトにおける問題の特定、解決策のご提案、実行のご支援を優先して行うなどの対応が必要です。状況に応じた柔軟な対応を迅速に行うことも、既存の業務と並行して戦略策定を進める上では重要なことだと考えています。
戦略を実行可能な状態にするために必要なこと
――戦略を実行に移す際の注意点があれば教えてください。
本間 戦略策定の後は実行のご支援に入りますが、多くの企業様では、戦略を実行に移す際、そもそもリソース(人やお金、モノ)が足りない、情報が集約されていない、プロセスや体制が決まっていない……など、実行上の課題が噴出します。その課題に対して、本質的な課題の特定と解決策のご提案、実行支援を丁寧に行うことが大切だと思っています。またしても本質的な課題の話なのですが、実行における本当の課題を見出さないままに「戦略実行がうまくいかない」とおっしゃる企業様が本当に多いので、あらためてここは大事ですよ!と言いたいです。
戦略実行にあたって特に多いのは、人的リソースの不足です。しかしながら、業務を細かく伺っていくと、実行のキーパーソンであるマネージャーの皆さんが、複数の業務やプロジェクトを抱えながら、すべての事務処理を担い、多数の会議にも出席している、という実態が(わりとすぐに)見えてきたりします。過去に、事務処理だけでマネージャー業務の4分の1の時間を割いていたという例もありましたが、「その仕事は、本当にマネージャーがすべきなのですか?」と聞くと、大半の方が「マネージャーがやるべき仕事ではない」という答えをされたのを覚えています。
これは一例にすぎませんが、人的リソースの課題は、頭数が少ないと嘆くのではなく、役割や責任範囲を明確にし、会議体(目的)を見直し、より価値を生む仕事に時間をシフトすることが必要です。キーパーソンの余力を生み出す対策を1つ入れるだけでも、戦略の実行確度はグッと向上します。まあ、こうした対策も、戦略がなければ実行しがたいことのひとつなのですが。。このように、時には現場に入り込んで実行確度を上げるためのサポートも行っていきます。
組織間を繋ぐご支援が本当の意味での効果をもたらす
――多くのお客様に見られる、インパクトの大きい課題はありますか?
本間 実は、多くのお客様が口をそろえて言われるのが、組織の横連携の課題です。事業部門と管理部門、親会社と子会社、自社と発注先など、本来なら共通の認識や合意形成をもって関係性を築きたいところに、とても多くの問題が潜んでいます。これは今に始まったことでないにも関わらず、派閥や利害関係、役割の不明確さ、守りの姿勢などが原因で、手つかずのことが多いのも事実です。こうした問題は、直接お客様から相談事項として最初に示されることは少ないものの、課題を掘り下げるほどに、鮮明になることがとても多くあります。
組織横串の連携においても、当社が溝を埋め、関係性を築く潤滑油の役割を担います。課題の特定、役割や体制の明確化、各所の関わり方、必要な会議体の定義など、必要な対策をどんどん進めていきます。単純に会議体に参加するだけでなく、時には、目的に応じた進行、決定事項の明確化、課題管理定着のためのファシリテーションなども行います。こうした戦略の実行性を高めるご支援は、お客様に最も喜ばれるポイントのひとつです。
――組織や人の間に入り込んでいくのは、とてもたいへんそうですね。
本間 たいへんではありますが、ここをクリアできれば、とてもインパクトの大きな課題解決に繋がるので、むしろ積極的に進めたいサポートだと思っています。横串連携をスムーズに進めるためのポイントは、関係する組織それぞれの役割、ミッションを明確にすることです。戦略の実行にあたり、A部門、B部門、子会社C社・・などのそれぞれの役割やミッション、連携が必要な内容、コミュニケーションする内容を明らかにしていきます。ミッションによって各部門のやるべきこと/責任範囲がクリアになると、ありがちな「総論賛成、各論反対」や「誰もタマを持っていない」状態が回避され、自分事として戦略実行や各種施策に取り組む雰囲気が出来てきます。
関係者間の溝を埋めるアクションは、当事者にとっては骨の折れる作業ですが、だからこそ、中立性・客観性をもって対応できる当社に頼っていただければと思っています。
”ベンダーロックイン”は活動停滞の黄色信号
――他にも戦略実行に際して、インパクトの大きい課題はありますか?
本間 今やIT活用なくしては企業経営を語れない時代になりました。戦略の策定にあたり、IT戦略を考慮に入れることは必要不可欠であり、単なる活用に留まらず、企業価値向上のためにできることを本気で考える必要があります。(だからこそ、DX推進という言葉が声高に語られているわけですが)
ところが、既存システムの開発・保守・運用が特定のベンダーに依存してしまい、戦略に応じて柔軟にシステムを変更したくとも、身動きが取りにくい状況(=ベンダーロックイン(*1))になってしまっているケースがとても多く見受けられます。特に、事業会社様はITに長けているわけではないため、ベンダーの言いなりになっていることも少なくありません。そうした背景があって、システム費用が年々膨らみ、コスト面で相当な負担になっているというお悩みがとても多く寄せられます。
注)決して、ベンダー批判をしたいわけではなく、ベンダーサイドでもお客様企業の価値向上に積極的に関与してほしいとの思いを込めて言っています。
当社はこうしたケースにおいても丹念にお客様のお悩みをお聞きし、企業様にとって価値を生むIT活用を念頭に置きながら、ゼロベースで戦略を一緒に考えてまいります。
「戦略なき実行に成功なし」。お客様の本質的な課題の特定から、戦略の策定、実行までをフルにご支援させていただくことで、企業様の持続的な成長に寄与したいと考えています。
*1:ベンダーロックイン(英: vendor lock-in)とは、特定ベンダー(メーカー)の独自技術に大きく依存した製品、サービス、システム等を採用した際に、他ベンダーの提供する同種の製品、サービス、システム等への乗り換えが困難になる現象のこと。(出典:Wikipedia)
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